キリンジの音楽

2022年6月29日

YouTubeってとてもありがたい物だ。youtubeがあるからこそ知らなかったバンドや音楽を知ることが出来る。そしてまた一つ「キリンジ」という音楽を知ることができた。1996年に結成した兄弟デュオで兄の堀込高樹と弟の堀込泰行の2人で結成。しかしすでに2013年に弟の泰行が脱退しソロアーティストになり。兄の高樹が新たにメンバーを加えバンドとして活動していたが、2020年にそのバンドも解散していた。恐らく、自分が知らないだけで知っている人はきっと知っているのだろう。それだけとても音楽性の高い楽曲を作っている。

最初にキリンジの「エイリアンズ」とう楽曲を聴いた時、80年代のシティポップを思いだした。兄弟デュオといえば70~80年代に活躍したブレッド&バターを思い出すが、どことなくサウンドも似ている気がする。「エイリアンズ」とい楽曲はとてもシンプルで優しい楽曲だがコード進行がとても複雑で、それがゆえにすごく奥深い楽曲になっている。また歌はサビの部分になるとファルセット裏声で兄の高樹とハモることにより、独特の雰囲気を醸し出している。

詩も独特の世界観で

「エイリアンズ」

遥か空に旅客機 音もなく

公団の屋根の上 どこへ行く

誰かの不機嫌も 寝静まる夜さ

バイパスの澄んだ空気と 僕の町

泣かないでくれ ダーリン ほら 月明かりが

長い夜に寝つけない二人の額を撫でて

まるで僕らはエイリアンズ 禁断の実 ほおばっては

月の裏を夢みて キミが好きだよ エイリアン

この星のこの僻地で

魔法をかけてみせるさ いいかい

どこかで不揃いな 遠吠え

仮面のようなスポーツカーが 火を吐いた

詩はとても映像的で映画のワンシーンのようであり、エイリアンという異星人で二人の仲を例えている。真夜中の暗闇の中に二人だけの世界観を、公団というごく普通の街の風景と月の裏側という真逆のイメージで表現することで、孤独でありながらも二人でいることへの安心感みたいなものが伝わってくる。

すでに解散しいるキリンジだが、音楽ファンの間では有名ではあるものの一般的にはさほど知られていないだろう。何年か前に能年玲奈(のん)がエイリアンズをカバーしたらしく、その時はキリンジの「エイリアンズ」のMVが爆上がりしたらしい。キリンジの様な大人の音楽は精々キャパ300人ぐらいのホールで聴くのがちょうど良い気がする。オフコースなども小田和正と鈴木康博の二人で活動しているときは、最初の10年ぐらいまったく売れず、初めて中野サンプラザでコンサートを行った時、小田和正は涙ぐんでいた。その後、「さよなら」がヒットしバンド編成になると、オフコースも全く聴かなくなった。アーティストにしてみると売れないより売れた方が良いに決まっているだろうが、ファンにしてみるとあまり売れすぎると何処か冷めてしまうものだ。キリンジはすでに解散しているので、今更売れる売れないなどと話しても仕方ないが、今はYouTubeがあり何十年も前に流行った音楽を無料で好きな時に好きなだけ聴くことができる。しかも世界中の音楽をだ。今、80年代にヒットした日本のシティポップと言われた音楽が、世界中で聴かれチャートで一位になったりしている。キリンジも何年か後に世界に見つけられ、再評価される時が来るかもしれない。キリンジの音楽もきっと今、世界の見知らぬ街のどこかのアパートの部屋の片隅で、エイリアンズたちに聴かれているかもしれない。

「エイリアンズ」